~”寒冷地”でも”エコキュート”は使えるの?気を付けるポイントって?~
オール電化のご家庭で人気の“エコキュート”、導入をご検討の方も多いのではないでしょうか。
冬の冷え込みが厳しい寒冷地でもエコキュートは使用できるのか、よくご質問をいただきます。
寒冷地でエコキュートを使用するメリット/デメリットって何?
寒冷地で使えるエコキュートはどんな機能?
寒冷地でエコキュートを使う時に気を付けることって?
今回はこんな疑問をお持ちの方へ、寒冷地でのエコキュート使用のあれこれについて解説していきます。
この記事を読めば、寒い地域にお住まいの方も、安心して給湯機を選択することができます!
目次
"寒冷地"で"エコキュート"を使用するメリット/デメリットって何?
寒冷地でエコキュートの使用はできるのか、不安に思われている方もいるかもしれませんが、寒冷地でもエコキュートの使用は可能です!
まずは寒冷地でエコキュートを使用するメリットとデメリットをまとめてみましょう。
〇寒冷地でエコキュートを使用するメリット
➊寒冷地仕様のエコキュートがある
各メーカーが、寒冷地仕様のエコキュートを発売しています。
これらは外気温が氷点下20℃程度まで使用でき、屋内に設置の場合は氷点下25℃まで使用できるものが多いため、寒冷地の冬にも問題なく使用できます。
寒冷地用に設計されているため、凍結などによる故障が、通常の給湯機よりも起こりにくいと言えます。
➋ランニングコストが安い
寒冷地か一般地かに関わらず、エコキュートの最大のメリットはランニングコストが非常に安い点です。
ガス給湯器に比べると、毎月およそ半分の費用で使用することができます。
これは、大気熱を利用し、電気代の安い深夜に給湯するエコキュートならではのメリットです。
寒冷地では防寒等のために何かと費用がかかります。
そんな中で、月々のランニングコストを抑えられるというのは大きなメリットだと言えます。
➌断水/停電してもお湯が使用可能
エコキュートのもう一つのメリットが、断水や停電等の非常時にもお湯が使用できる点です。
エコキュートには貯湯タンクという、沸かしたお湯を貯めておくタンクがあり、通常はそこから必要な量のお湯を給湯します。
そのため、断水や停電が起きても、貯湯タンクに貯まっているお湯を取り出せば、非常用水としてあらゆる生活用水に使用できます。
特に寒さの強い寒冷地では、非常時にお湯が使用できるメリットは大きいですよね。
〇寒冷地でエコキュートを使用するデメリット
➊寒波だと熱効率が落ちる
エコキュートは空気を圧縮して、お湯を沸かすための熱を取り出しますが、寒冷地は通常に比べて大気中の熱が少ないです。
そのため、空気の圧縮により多くのエネルギーが必要になり、一般地と比べて熱効率は落ちてしまいます。
また、エコキュートは外気温が氷点下20℃(屋内なら氷点下25℃)を下回ると、使用ができなくなります。
貯湯タンクにあるストックは使用可能ですが、新たにお湯を沸かすことができなくなります。
➋低騒音がある
寒冷地に限らずですが、エコキュートには低騒音という問題がついてきます。
この音は、昼など雑音が多い時間帯には気にならなくても、夜や閑静な住宅街では気になってしまう人も少なくありません。
特に寒冷地の冬は気温がかなり低くなり、音の速度が遅くなるため遠くまで音が伝わりやすくなるため、防振・防音グッズを利用する必要がある場合もあります。
設置の際には寝室のそばを避ける、隣家との位置関係も考慮するなどの対策が必要です。
➌屋外への設置には雪対策が必要
エコキュートは他の給湯器と違い、機器が貯湯タンクユニットとヒートポンプユニットの二つに分かれています。
寒冷地では室内にエコキュートを置くことができれば心配ありませんが、それなりのスペースが必要なので厳しいご家庭もあるかと思います。
屋外にエコキュートを設置する場合、雪への対策は必須となります。
雪を放っておくと凍結や雪の吹き込み等で、ヒートポンプユニットや配管の故障に繋がることもあります。
"寒冷地"で使える"エコキュート"はどんな機能?
寒冷地では、一般地仕様のエコキュートは使用できません。
各メーカーは寒冷地仕様のエコキュートを販売しています。
寒冷地仕様のエコキュートとは、一般地仕様とは何が違うのかを解説していきます。
〇氷点下20℃までは使用可能
一般地仕様のエコキュートは、外気温が氷点下10度を下回ると使用できなくなります。
しかし寒冷地仕様のエコキュートは氷点下20℃までは屋外設置でも使用が可能です。
主にどのような機能が備わっているのか、表にまとめてみました。
寒冷地仕様
一般地仕様
・循環凍結防止運転
・圧縮余熱運転
・配管カバー/ヒーター等別売り
・氷点下20℃(屋内なら25℃)まで使用可能
・凍結防止ヒーター(貯湯タンク)内臓
・氷点下10℃まで使用可能
寒冷地に分類される地域は、建設省が定めた次世代省エネルギー基準に則り決められます。
外気温が10℃を下回ることがある地域では、寒冷地仕様のエコキュートを選ぶ必要があります。
"寒冷地"で"エコキュート"を使う時に気を付けることって?
実際に寒冷地にお住まいの方で、エコキュートを導入したいとお考えの方は、どんなことに気を付ければエコキュートを使えるのかが気になりますよね!
寒冷地でのエコキュート選び/使い方で気を付けるべきポイントをまとめました!
〇氷点下20度を下回る地域では屋内設置を!
寒冷地仕様のエコキュートでも、氷点下20℃までが限界で、それを下回ると貯湯タンク内のお湯を十分に保温できない等の不具合が起こります。
真冬等、氷点下20℃を下回ることのある地域にお住まいの方は、屋内設置用のエコキュートを導入して下さい。
屋内設置用のエコキュートも、屋外用と主な機能などに違いはありませんのでご安心下さい。
屋外設置用よりも20,000円程度費用がかかることと、屋内にエコキュートを設置できるスペースがあることが条件になります。
また屋内設置でも、氷点下25℃を下回る地域での使用はできません。
〇定期的な霜取り運転を!
エコキュートの要であるヒートポンプユニットの背面には霜が付着することがあります。
エコキュートのしくみは、大気熱を利用するものですが、熱を利用し終えた空気は、冷却されヒートポンプユニットから排出されます。
その際に、冷たくなって排出された空気に混ざっている水分が結露し、霜となって付着してしまうのです。
この霜を取り除かずに放置していると、ヒートポンプユニットの故障や給湯効率の低下に繋がります。
特に、冬にそこまでお湯を使っていないのにお湯の残量がなくなることがあれば、ヒートポンプユニットに霜が付着してしまっている可能性が高いです。
エコキュートには“霜取り運転”機能が搭載されていることが多いので、定期的に霜取り運転をすることで霜の付着を防ぐことができます。
霜取り運転がついていない場合は、霜がヒートポンプユニットに入ってしまわないよう、丁寧に霜を取り除いてください。
〇屋外設置は積雪対策を!
氷点下20℃を下回ることのない寒冷地域では、寒冷地仕様の屋外設置用のエコキュートが使用できます。
この場合、気を付けるべきポイントは、積雪対策をしっかり行うことです。
ヒートポンプユニットが雪に埋まってしまったり、底面に雪が接触したりしていると、著しく給湯効率が低下します。
また積雪や吹きさらし等でヒートポンプ内に雪が侵入した場合、内部部品の故障で部品の交換が必要になり、最悪の場合はエコキュート自体の交換が必要になってしまいます。
雪がかからないよう屋根やのれんをつけたり、エコキュート用ヒーターを設置するなど積雪対策が大切です。
〇寒冷地は一般地に比べ給湯効率は下がる
エコキュートは空気中の熱を利用してお湯を沸かすため、空気中に熱の少ない寒冷地では、一般地よりも給湯効率はどうしても落ちてしまいます。
そのため、消費する電気の量も増えるため一般地仕様に比べて電気代が高くなる可能性があります。
ただ、ガス給湯器や他の電気給湯器に比べれば、やはりランニングコストは抑えられますので、寒冷地でもエコキュートを使用するメリットは大きいです。
☟エコキュートのメンテ/設定温度に関する記事はこちら☟
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